再発しにくい体の作り方

理学療法士の鈴木です。本日は「再発しにくい体の作り方」について解説します。

「痛みは取れたけれど、また繰り返す」

臨床で最も多い課題の一つです。

再発を防ぐためには、“症状を取る”ことと“再発しにくい身体を作る”ことを分けて考える必要があります。

再発しにくい体とは何か?

結論から言えば、

負荷に適応できる余裕を持った体

です。

痛みは「負荷」が「耐久性」を上回ったときに起こります。

つまり、再発予防の本質はこの差を広げることにあります。

① 組織の耐久性を高める

筋・腱・靭帯・骨は、適切な力学刺激によって強くなります。

活動量が低い状態では、少ない負荷でも痛みが出やすくなります。

定期的な負荷刺激は、

  • 筋力向上

  • コラーゲン再配列

  • 骨密度維持

に寄与します。

▶︎臨床ポイント

「痛みがない範囲」ではなく、回復可能な範囲で徐々に負荷を上げる設計が重要です。

② 持久力を軽視しない

再発を繰り返す患者では、最大筋力よりも持久力不足が目立つことが多いです。

長時間姿勢保持や日常動作の反復に耐えられなければ、

局所へのストレス集中が起こります。

▶︎臨床ポイント

短時間高負荷だけでなく、低負荷長時間のトレーニングも組み込みます。

③ 動作の分散能力を高める

痛みがあると身体は動きを変えます。

この適応が固定化すると、負荷が一部に集中します。

再発予防には、

  • 股関節・体幹の協調

  • 体幹回旋の再獲得

  • 歩行パターンの改善

など、運動制御の再教育が重要です。

▶︎臨床ポイント

単関節の強化だけでなく、全身連動を評価します。

④ 回復力を整える(睡眠・自律神経)

回復が追いつかなければ、どれだけ鍛えても再発します。

睡眠不足や慢性ストレスは、

  • 疼痛閾値低下

  • 回復遅延

  • 筋緊張亢進

を引き起こします。

▶︎臨床ポイント

運動処方と同時に、睡眠・呼吸・生活リズムを確認します。

⑤ 「痛みゼロ思考」から抜ける

再発しやすい人の特徴の一つは、

「少しでも痛い=悪化」と捉える傾向です。

過度な恐怖回避は活動量低下を招き、再発リスクを高めます。

重要なのは、

痛みをゼロにすること

ではなく

コントロールできること

です。

▶︎臨床ポイント

痛み教育(pain education)を含めた介入が有効です。

まとめ

理学療法士が考える「再発しにくい体」とは、

  • 組織耐久性がある

  • 持久力がある

  • 動作が分散できる

  • 回復力がある

  • 痛みを正しく理解している

という状態です。

再発予防の本質は、

“守る体”ではなく、“適応できる体”を作ることです。

痛みが取れた瞬間がゴールではなく、

そこからが本当のスタートです。

 

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