HAL(Hybrid Assistive Limb)とは

世界初※のサイボーグ型ロボットHALは脚に障害を持つ方や、脚力が弱くなった方の、脚力・歩行機能をサポートし、歩くことのすばらしさを実感していただくことを願って誕生した画期的な自立動作支援ロボットです。
※WIPO(世界知的所有権機関)にて、本国際特許はNotable Inventionに認定されました。

人が動こうとするとき体内の神経を通じて、脳から筋肉へ伝達されます。そのときに発生する生体電位信号を筋肉に取り付けたセンサーから検出し、ロボットを通じてパワーアシストとして介助する仕組みになっております。

対象者

脳血管障害、脊髄性疾患、先天性ミオパチー(筋ジストロフィー)、パーキンソン病、廃用性疾患、整形疾患で下肢筋力低下にて歩行困難な方など

リハビリプログラム

HALを使用しての、脚の曲げ伸ばしによる筋力訓練、立ち上がり訓練、歩行訓練、階段昇降訓練 脚の筋力向上による歩行時の振り出し支持性の改善、歩容、バランスなどの改善により日常生活における立ち上がりなどの動作の向上が図ります

HAL装着

HALの特徴

特徴1

HALを装着してリハビリを行うことにより、弱くなった筋肉の働きを最大限に引き出し、関節の動きを出していく為、普段使っていない筋肉を使う事ができます。また、人によってはHALに慣れるのに時間がかかるため、疲れやすく筋肉痛になる可能性があります。

特徴2

重心の位置、どこの筋肉が働きにくいのか、どうすれば働きやすくなるのかが視覚で確認することができます。また、継続して行う事でどのくらい筋肉が働きやすくなったのかも確認することが出来ます。

特徴3

HAL装着後でも動作がイメージしやすいが、ずっと持続するものではく、HALで行った動きを何度も繰り返し練習することによって初めて体に身に付いてきます。HALを行ったからすぐによくなるという訳ではなく、自主トレや運動療法を行うことにより、一つ一つの動作を覚えていくため段階を踏んで治療を進めていきます。

歩行器使用してHAL歩行訓練

HALを慣れる為にも、まずは2回/週のリハビリを3か月間行うことがおススメです。3か月後は身体の変化をみて、継続して行って行くのか、ホームエクササイズで症状をコントロールしていくのかを検討していきます。

当クリニックでHALを行っている方の主な疾患

脊椎損傷 脳血管障害 脊髄小脳変性症 パーキンソン病 広範囲脊柱管狭窄症 等

ロボットスーツHALの流れ

医師による外来診察(脳血管障害、脳神経疾患、脊髄損傷、神経難病の方は月曜日、整形疾患の方は火・水・木PM・金・土PM)

当日は保険証、介護保険証、お薬手帳、診療情報提供書(紹介状)をご持参ください。

※回復期からの退院後より3ヶ月間は日数制限なく通院可能です。その際は退院証明書をご持参ください。
※他院からの紹介の方でCT、MRI画像をとられている方はそちらもご準備いただき初回診察日にご持参ください。

初回当日リハビリ(予約不可)

医師の診察日当日も可能です(空き状況次第)

①問診

当院ではまず、”リハビリとは何なのか?”の理解の一致と目標を一緒に決めいくことを大切にしています。

  • リハビリとはどういう理解か?
  • ロボットスーツHALの理解は?
  • 現在の困っていることは?
  • リハビリ(ロボットスーツHALを用いて)でどんなことを解決したいですか?
  • 解決したい優先順位は?
  • それは何故達成させたいか?
などできる限り本人に意思決定に参加してもらえるように創意工夫しています。

②リハビリで解決したい生活課題に対しての確認と検査

解決したい課題に対して、いつ、どんな 時に、どのようなことが困っているのか?具体的に確認していきます。

③効果判定しやすいように定量化できる検査も行っていきます(10m歩行、下肢過重検査)
④ロボットスーツHALの採寸を合わせていきます。

2回目以降のリハビリ

①電極を貼る
②HALの装着

※①②の装着準備に10分~15分かかります。(リハビリ訓練時間内)

③HALを用いてのリハビリ(一例)
  • 大腿四頭筋反復運動再学習(左右50回ずつ)
  • 反復立ち上がり学習(50回)
  • 歩行練習(リハビリ室往復2周×2回)
  • 段差昇降
④HALを外す※5分かかります(リハビリ時間内)
⑤HAL脱にて歩行確認

リハビリ日数制限の方は週1回の一時間(3単位)
回復期病院退院日から3ヶ月以内は週7回(無制限)の一時間(三単位)可能

日数制限以上リハビリ実施したい方へ

当院では自費プランもご用意しております。

介護保険認定(要介護・要支援)を受けられている方へ

当院は併設の短時間デイケア、一時間デイケアにて実施できるプランもご用意しております。

一ヶ月後

再評価して継続および目標設定の見直し、回数の変更なども検討して一緒に振りをおこなっています。
3ヶ月~6ヶ月を目安に解決したい生活課題に対しての目標達成をめざしていきます。

料金

当院では保険診療代と別途電極代を頂いております。
片側:400円、両側:800円

自費の場合

1時間:11,000円(電極代金込)脊髄損傷や神経難病などの両下肢麻痺の方向け
30分:5,500円(電極代金込)片麻痺の片、お試し用

介護保険にてデイケア内での利用の場合

1時間:介護保険料+4,400円追加料金として

※見学や体験も随時行っております。担当の齋藤までお気軽にお問い合わせ下さい。

H30年、当院でのHAL症例実績

疾患名 症例数
脳梗塞後遺症 10例
脳出血後遺症 4例
脊髄損傷 5例
脳性麻痺 3例
頸椎症性脊髄症 2例
筋委縮性側索硬化症 2例
筋ジストロフィー 1例
マリネスコシェーグレン症候群 1例
膝蓋骨骨折 2例
脊髄小脳変性症 2例
副腎脊髄ジストロフィー 1例
脊髄くも膜下出血 1例
球脊髄性筋萎縮症 1例
広範性脊柱管狭窄症 3例
多発性硬化症 1例
横紋筋融解症 1例