ストレッチはやればやるほどいいのか?正しい考え方

理学療法士の鈴木です。本日は「ストレッチはやればやるほどいいのか?正しい考え方」について、臨床的視点を交えて解説します。

「体が硬いから、とにかくたくさんストレッチをしています」

このような患者さんは非常に多いですが、ストレッチは量を増やせば増やすほど効果が高まるわけではありません。むしろ、やり方や目的を間違えると症状を悪化させることもあります。

① ストレッチは「目的」によって適切な量が変わる

ストレッチの主な目的は、

  • 可動域改善

  • 筋緊張低下

  • 運動前後のコンディショニング

  • 痛み軽減

などです。

例えば可動域改善を目的とする場合、一定時間以上の伸張は必要ですが、必要以上に長時間行っても効果が比例して増えるわけではありません。

▶︎臨床ポイント

「とりあえず毎日長時間伸ばす」ではなく、目的(可動域・リラックス・運動準備)を明確にすることが重要です。

② やりすぎると筋出力が一時的に低下する

長時間の静的ストレッチを運動直前に行うと、筋出力や瞬発力が一時的に低下することが報告されています。

そのため競技前やトレーニング前には、長時間の静的ストレッチよりも動的ウォームアップが推奨される場面もあります。

▶︎臨床ポイント

運動前は短時間にとどめる、または動的ストレッチに切り替えるなど、タイミングを考慮します。

③ 「硬い=伸ばすべき」とは限らない

身体の硬さの原因は、

  • 筋短縮

  • 筋緊張亢進

  • 防御的収縮

  • 筋力不足による過活動

などさまざまです。

特に、筋力不足を補うために緊張している筋を過度にストレッチすると、かえって不安定性や痛みが増すことがあります。

▶︎臨床ポイント

柔軟性低下が問題なのか、筋力・運動制御が問題なのかを評価してから処方する必要があります。

④ 効果は「頻度」と「継続」で決まる

可動域改善を目的とした研究では、1回だけ長時間行うよりも、適切な時間のストレッチを継続する方が効果的であることが示されています。

つまり重要なのは「一度にたくさん」ではなく、

適切な量を継続することです。

▶︎臨床ポイント

1回10分を週1回より、1回1〜2分を毎日行う方が実用的で効果的なケースが多いです。

⑤ ストレッチだけでは体は変わらない

柔軟性が改善しても、

  • 筋力

  • 持久力

  • 運動制御

が伴わなければ、動作中に元の負担パターンへ戻り、症状が再発しやすくなります。

▶︎臨床ポイント

ストレッチ → 軽い運動 → 日常動作で使用

という使用まで含めたプログラム設計が重要です。

まとめ

ストレッチは、

  • 多ければ多いほど良いわけではない

  • 目的に応じて量とタイミングを調整する

  • 筋力・運動と組み合わせて初めて機能改善につながる

という考え方が重要です。

身体を変えるために必要なのは「長時間ストレッチ」ではなく、

適切な量を継続し、動きの中で使える状態にすることです。

 

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