姿勢を正しているのに痛くなるのはなぜか?
理学療法士の鈴木です。本日は「姿勢を正しているのに痛くなるのはなぜか?」について、臨床的視点を交えて解説します。
「姿勢を良くするように意識しているのに、逆に首や腰が痛くなる」
これは臨床でも非常によく聞かれる訴えです。原因の多くは、姿勢そのものではなく「姿勢の取り方」や「姿勢の使い方」にあります。
① “正しい姿勢を保ち続ける”こと自体が負担になる
どれほど理想的な姿勢であっても、長時間固定されると、
- 局所筋の持続収縮
- 血流低下
- 代謝産物の蓄積
が起こり、疼痛の原因になります。
近年は「良い姿勢」よりも、姿勢を変化させ続けることの重要性が強調されています。
▶︎臨床ポイント
「背筋を伸ばし続ける」指導よりも、こまめに姿勢を変える習慣を指導する方が症状改善につながることが多いです。
② 過剰な筋緊張で姿勢を作っている
姿勢を意識するあまり、
- 背筋を強く固める
- 肩を引きすぎる
- 顎を無理に引く
といった過剰収縮型の姿勢保持になるケースが多く見られます。
この状態では本来働くべき深層筋ではなく、表層筋が過活動となり、筋疲労が早く出現します。
▶︎臨床ポイント
「姿勢を作る」のではなく、力を抜いても保てる姿勢を再学習することが重要です。
③ 体の許容量を超えた姿勢を取っている
柔軟性、筋持久力、関節可動域が十分でない状態で理想姿勢を取ろうとすると、
体は代償的な筋緊張で姿勢を維持するしかなくなります。
その結果、
- 特定筋の過負荷
- 関節圧縮ストレス増加
が起こり、痛みにつながります。
▶︎臨床ポイント
姿勢指導の前に、必要な可動域と持久力を評価することが重要です。
④ 痛みがあることで運動制御が変化している
痛みが存在すると、身体は防御的に運動パターンを変化させます。
この変化により、
- 本来分散されるはずの負荷が集中する
- 動きの滑らかさが低下する
といった問題が起こります。
つまり「姿勢が悪いから痛い」のではなく、痛みがあるから姿勢が不自然になる場合も少なくありません。
▶︎臨床ポイント
姿勢修正だけで改善しない場合、運動制御トレーニングが必要になります。
⑤ 「正しい姿勢」にこだわりすぎている
近年の研究では、「理想姿勢」と疼痛の関連は必ずしも強くないことが示されています。
むしろ、
- 長時間固定
- 低活動
- ストレス
- 睡眠不足
といった生活要因の方が、疼痛との関連が強いと報告されています。
▶︎臨床ポイント
姿勢だけを修正し続けても改善しない場合、生活習慣全体を評価する視点が必要です。
まとめ
姿勢を正しているのに痛くなる主な理由は、
- 姿勢の固定
- 過剰な筋緊張
- 身体機能不足
- 運動制御変化
- 姿勢への過度な意識
にあります。
重要なのは「完璧な姿勢」を作ることではなく、
無理なく保てて、自由に変えられる姿勢を身につけることです。
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