痛みが出やすい人に共通する生活習慣5つ

理学療法士の鈴木です。本日は「痛みが出やすい人に共通する生活習慣5つ」について、臨床的視点で解説します。

日々の臨床で感じるのは、「組織損傷の大きさ」と「痛みの強さ」は必ずしも一致しないということです。そこに大きく関与するのが生活習慣です。

① 長時間同一姿勢で過ごす

長時間の座位や立位の持続は、局所循環低下や組織ストレス蓄積を引き起こします。

近年は「悪い姿勢」そのものよりも、姿勢変換の少なさが疼痛発生と関連すると示唆されています。

持続負荷により筋持久力が低下し、代償パターンが固定化すると、特定組織へのストレス集中が起こりやすくなります。

▶︎臨床ポイント

「正しい姿勢指導」よりも「30〜60分に一度の姿勢変換」を具体化する方が再発予防に有効です。

② 身体活動量が少ない

身体活動量の低下は、

  • 筋力低下

  • 組織耐久性低下

  • 疼痛抑制系の機能低下
    を招きます。

慢性疼痛患者では活動量と疼痛の関連が報告されており、「痛いから動かない」という回避行動がさらなる機能低下を招く悪循環が問題になります。

▶︎臨床ポイント

評価では筋力だけでなく、1日の歩数や活動時間を具体的に聴取すると介入の方向性が明確になります。

③ 睡眠の質が低い

睡眠不足は疼痛閾値を低下させ、中枢性感作を助長します。

実験研究では、睡眠制限により健常者でも疼痛感受性が上昇することが示されています。

慢性疼痛と不眠は双方向性の関係を持つことが知られており、身体アプローチ単独では改善が乏しいケースもあります。

▶︎臨床ポイント

「何時間寝ていますか?」だけでなく、「途中覚醒の有無」「起床時の疲労感」も重要です。

④ 恐怖回避行動

痛みへの恐怖が強いと、

  • 運動回避

  • 過剰筋緊張

  • 予測的防御収縮

が生じ、結果として痛みが持続します。

恐怖回避モデルは慢性腰痛研究で確立されており、心理社会的要因が予後に強く関与することが示されています。

▶︎臨床ポイント

「それはやると悪くなりますか?」と繰り返し確認する患者さんはハイリスク群です。

⑤ 慢性的なストレス状態

慢性ストレスは交感神経優位状態を持続させ、

  • 筋緊張亢進

  • 下行性疼痛抑制系の機能低下

  • 炎症性反応の亢進

を引き起こします。

心理社会的因子は慢性疼痛の強い予測因子であり、生物心理社会モデルの重要性が強調されています。

▶︎臨床ポイント

器質的所見が乏しいのに痛みが強い場合、生活背景の評価が鍵になります。

まとめ

痛みが出やすい人の共通点は、

  • 低活動

  • 姿勢固定

  • 回復不足

  • 恐怖回避

  • 慢性ストレス

といった生活習慣が複合的に絡んでいることです。

疼痛は単なる「組織の問題」ではなく、生活環境と神経系の相互作用の結果です。

臨床では局所アプローチだけでなく、生活指導まで含めた包括的介入が重要になります。

 

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