腰痛の約8割は非特異的腰痛?
特異的腰痛、非特異的腰痛との違い
こんにちは。
理学療法士の鈴木です。
本日は、
「非特異的腰痛」と「特異的腰痛」の違いについて解説します。
腰痛は臨床・実習・国家試験すべてで頻出のテーマですが、
実際の現場では「診断名がつかない腰痛」を見ることが非常に多くなります。
腰痛の分類
腰痛は原因の明確さによって、次の2つに分類されます。
- 特異的腰痛
- 非特異的腰痛
この分類を理解していないと、
「何を評価して、何に介入するのか」が曖昧になります。
特異的腰痛とは?
特異的腰痛とは、
画像検査や医学的所見によって原因が明確に特定できる腰痛です。
主な疾患例
- 腰椎椎間板ヘルニア(進行する神経症状を伴うもの)
- 脊柱管狭窄症
- 腰椎椎間関節症
- 仙腸関節傷害
- 腫瘍・感染症による腰痛
特徴
- 安静時痛や夜間痛が強い
- 神経症状(筋力低下・感覚障害)が進行する
- 発熱・体重減少などの全身症状を伴うことがある
⇒ 医師の診断・治療が最優先
⇒ PTは「禁忌動作の把握」「ADL指導」が重要
非特異的腰痛とは?
非特異的腰痛とは、
画像所見と症状が一致せず、明確な原因疾患を特定できない腰痛を指します。
臨床で遭遇する腰痛の約8割が非特異的腰痛とされています。
特徴
- 動作や姿勢で疼痛が変化する
- 日によって症状の強さが変動する
- 画像所見と疼痛部位が一致しないことが多い
⇒ 理学療法士の介入が最も重要になる腰痛群
なぜ非特異的腰痛は「原因不明」とされるのか
非特異的腰痛は、
単一の組織障害では説明できないことが多いためです。
理学療法士の視点では、以下の要因が複合的に関与します。
① 筋・筋膜性要因
- 脊柱起立筋
- 腸腰筋
- 殿筋群
の過緊張や柔軟性低下による疼痛。
② 運動制御・動作戦略の問題
- 股関節を使わず腰椎主導で動く
- 体幹の固定が不十分
- 反復する中腰・前屈動作
③ 筋力・持久力低下
- 腹横筋・多裂筋の機能低下
- 殿筋群の筋力不足
腰椎の安定性が低下し、疼痛が誘発されやすくなります。
④ 心理・社会的要因(PS因子)
- 不安・恐怖回避思考
- 睡眠不足・ストレス
非特異的腰痛では、バイオサイコソーシャルモデルの理解が不可欠です。
評価の視点
非特異的腰痛では、
「疾患名」よりも以下が重要です。
- どの動作で痛みが出るか
- 疼痛が増悪・軽減する姿勢
- ADLでの身体の使い方
疼痛誘発動作の分析が評価の中心
PT介入の考え方
- 痛い部位だけを治そうとしない
- 動作・姿勢・生活背景まで見る
- 運動療法+生活指導が基本
非特異的腰痛は、
「評価 → 仮説 → 検証→再評価」の思考練習に最適な症例です。
まとめ
- 腰痛の約8割は非特異的腰痛
- 特異的腰痛は医学的管理が最優先
- 非特異的腰痛はPT介入の中心領域
- 疾患名より「動き・使い方」を見る
臨床や実習で腰痛症例を担当したときは、
ぜひこの分類を思い出してみてください。
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