腰椎椎間板症・椎間板ヘルニアとは?

腰椎椎間板症・椎間板ヘルニアとは?

─ 理学療法士が分かりやすく解説する原因・症状・リハビリの考え方

腰痛の原因はさまざまありますが、その中でも非常に多いのが

「椎間板(ついかんばん)」に関連する腰痛 です。

今回は、

  • 腰椎椎間板症
  • 腰椎椎間板ヘルニア

    の2つについて、一般の方にも分かりやすく、そして理学療法士が読むと「なるほどね」となるようにまとめていきます。

1. 椎間板ってそもそも何?

脊椎(背骨)は、一つひとつの骨(椎体)が積み木のように積み重なってできています。

その間でクッションの役割を果たしているのが 椎間板(ついかんばん)。

椎間板は

  • 外側:線維輪(硬くて丈夫)
  • 内側:髄核(ゼリー状)
    で構成され、衝撃吸収と動きの滑らかさを支えています。

しかし、加齢・姿勢・負担の積み重ねによって、この椎間板に変性(傷み・劣化)が起こると、腰痛の原因になります。

2. 腰椎椎間板症とは?

─ “椎間板自体”が痛みの原因になる状態

椎間板症とは、

椎間板の変性そのものが痛みを引き起こしている状態 を指します。

まだ髄核が飛び出して神経を圧迫しているわけではありません。

レントゲンでは異常が映らないことも多く、MRIで軽度の変性を示す程度です。

✔ 主な症状

  • 長時間座ると痛む
  • 前屈み(前に曲げる動作)で腰が重く、痛む
  • 朝起きた時に腰が硬い
  • 動き始めで痛むが、動いていると楽になることも

「座っていると痛い」「デスクワークで悪化」といった訴えは典型的。

✔ 理学療法士が注目するポイント

  • 椎間板は 前かがみ姿勢(屈曲姿勢) で負担が増える
  • 体幹筋群(腹圧/多裂筋)のコントロール不良が背景にある
  • 痛みは神経圧迫ではなく“構造のストレス”によるもの

3. 腰椎椎間板ヘルニアとは?

─ 椎間板の「髄核」が飛び出して神経を圧迫

椎間板症が進行し、線維輪の損傷が大きくなると、

髄核が外に飛び出して神経を圧迫する ことがあります。

これが椎間板ヘルニア(Herniation)。

✔ 主な症状

  • お尻や脚へ広がる痛み(坐骨神経痛)
  • しびれ(多くは片側)
  • 咳・くしゃみで痛みが悪化
  • 前屈みで痛み、後ろに反ると軽くなることが多い

✔ 進行例では…

  • 足に力が入りにくい(筋力低下)
  • 感覚の低下
  • まれに排尿障害(馬尾症候群 → 緊急)

✔ 理学療法士が見るポイント

  • 神経症状の有無・範囲(デルマトーム)
  • SLRテストなど神経伸張テスト
  • 姿勢(屈曲パターンの反復)
  • 骨盤〜胸郭の動きのクセ
  • 荷重戦略(片脚立位・歩行)

ヘルニアは“飛び出したもの”よりも

炎症(神経根の刺激)で痛みが強くなるケースが多い

点が重要です。

4. 椎間板症とヘルニアの違い

項目

椎間板症

椎間板ヘルニア

原因

椎間板の変性ストレス

髄核が飛び出し神経を圧迫

主症状

腰の痛み中心

脚への痛み・しびれ

姿勢での悪化

前屈で悪化しやすい

前屈で強く悪化、反ると軽減

画像

軽度変性のみ

MRIで突出確認

改善

多くは保存療法で改善

90%以上は手術不要

 

椎間板症と椎間板ヘルニアは、どちらも

「椎間板の変性」から始まる同じ流れの中にある病態 です。

ただし、痛みの出方・神経症状の有無によって対応が大きく変わります。

次回の後編では、

実際に理学療法士が行う評価ポイントと、症状別のリハビリ・セルフケア

について分かりやすく解説していきます。

 

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