脊柱管狭窄症で「歩くと痛い」理由
病態と評価のポイント
こんにちは。
理学療法士の鈴木です。
本日は、
「脊柱管狭窄症で、なぜ歩くと痛みやしびれが出るのか」について、
理学療法士の視点から解説していきます。
脊柱管狭窄症とは?
脊柱管狭窄症とは、
脊髄や神経根が通る脊柱管が狭くなることで、神経が圧迫される状態です。
特に多いのが腰部脊柱管狭窄症で、
高齢者の下肢痛・歩行障害の代表的疾患です。
「歩くと痛い」=間欠性跛行
脊柱管狭窄症の最大の特徴は、
間欠性跛行(かんけつせいはこう)です。
間欠性跛行の特徴
- 歩き始めは問題ない
- しばらく歩くと、下肢の痛み・しびれが出る
- 立ち止まる、前かがみになると楽になる
⇒「歩行で増悪、休息で軽減」がキーワードです。
なぜ「歩くと」症状が出るのか?
① 腰椎伸展で脊柱管がさらに狭くなる
歩行時は、
- 立位姿勢
- 股関節伸展
に伴い、腰椎が伸展位になりやすくなります。
腰椎伸展位では
⇒ 脊柱管・椎間孔がさらに狭くなる
⇒ 神経の圧迫が強くなる
その結果、痛みやしびれが出現します。
② 神経の血流障害が起こる
歩行を続けることで、
- 神経への圧迫
- 神経内血流の低下
が起こり、虚血状態になります。
⇒これが「しばらく歩くと症状が出る」理由です。
③ 姿勢による神経の緊張増大
直立姿勢や反り腰では、
- 硬膜
- 神経根
が引き伸ばされ、症状が増悪します。
一方で、
- 前屈位
- 座位
では神経の緊張が緩み、症状が軽減します。
なぜ「前かがみになると楽」なのか?
脊柱管狭窄症の患者さんが、
- カートを押して歩く
- 自転車はこげる
というのは有名な所見です。
これは、
- 腰椎前屈位
- 脊柱管・椎間孔の拡大
によって、神経への圧迫が軽減されるためです。
⇒ 前屈で楽になる=狭窄症を疑う重要な所見
理学療法学生が押さえておきたい評価ポイント
① 症状の出現条件
- 何分歩くと症状が出るか
- どんな姿勢で楽になるか
② 歩行・姿勢の観察
- 反り腰が強くないか
- 歩行時の体幹伸展が強すぎないか
③ 股関節・体幹機能
- 股関節伸展可動域
- 体幹筋のコントロール
腰椎の代償動作が出ていないかを確認します。
PT介入の基本的な考え方
- 腰椎伸展を強める動作を避ける
- 前屈位で楽になる姿勢・動作を指導
- 股関節・体幹を使った歩行を学習
👉 「腰を反らさないで歩く」戦略づくりが重要
まとめ|「歩くと痛い」には明確な理由がある
- 脊柱管狭窄症の主症状は間欠性跛行
- 歩行時の腰椎伸展で神経圧迫が増す
- 前屈位で症状が軽減する
- PTは姿勢・歩行・動作に介入する
脊柱管狭窄症は、
病態と動作の関係が非常にわかりやすい疾患です。
実習や臨床で担当した際は、
「なぜ歩くと痛いのか」を説明できるようにしておきましょう。
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